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新型コロナウイルスの世界パンデミック

2020年04月18日

新型コロナウイルスの猛威

新型コロナウイルスの感染拡大は日本全国で留まる気配を見せていない。

日々、全国で新規感染者発生の情報は何度も報じられている。

今後、日本はどうなっていくのか?東京の現状はどうなのか?などを韓国の情報も交えながら、次の3つ章に分け、データを元に説明していきたい。

 

1.韓国の発生状況

2.日本の発生状況

3.東京都の現況と今後の予測

 

1.韓国の発生状況

2月6日から、韓国疾病管理本部(KCDC)の発表資料を個人的に収集しtwitterで更新し続けてきた。

そこでも取り扱ってきたデータから、新型コロナウイルス感染症の韓国の発生状況を見ていきたい。

出典:KCDC韓国疾病管理本部発表資料 ソース:https://www.cdc.go.kr/
作成:一般社団法人日本韓国語教育協会(金山浩平)

 

韓国での初の感染者は、1月19日に仁川国際空港で発見された、中国の武漢から入国した中国人女性だった。

それからおよそ3ヶ月が経過し、累計感染者は10,653人、検査数は55万件を突破した。

韓国疾病管理本部 4月19日0時基準データ
基準日 新規感染者 累計感染者 新規検査数 累計検査数 新規死者 累計死者
4月18日 18人 10,653人 8,371件 554,834件 2人 232人

 

2月29日9時基準では、一日の感染者は「909人」にも及んでいたものの、それから半月後の3月15日には「76人」となり、更にその約1か月後の4月18日、ついに20人を割り込み「18人」となった。

55万件という累計検査数にもある通り、疑似症状のある者には徹底的にPCR検査を行ってきた実績が、結果としてデータに表れている。

一時は、大邱市および慶尚北道地域で、カルト宗教信者に端を発した集団感染が発生しパンデミックとなった。

2月下旬には、「大邱市では医療崩壊を起こしている」と報道された通り、軽症者も含めた全ての感染者を入院させていたところ、重症患者の受け入れが一時できなくなる事態となり、複数名の方が自宅で亡くなったとみている。その事態を重く見た中央防疫対策本部は、3月1日に新たな方針を発表。以下の通り感染者を症状別に4段階に分けて隔離をし管理していくことにした。

  1. 最重症 → 医療施設にて治療
  2. 重 症 → 医療施設にて治療
  3. 中等症 → 医療施設にて治療
  4. 軽 症 → 生活治療センターにて隔離し管理

これにより、僅か半月でピーク時の10分の1にまで新規感染者を減らした。

〇新型コロナウイルス感染症 韓国の新規感染者発生状況

 

方針転換以降の新規感染者の発生状況を、こうしてグラフで見てみると一目瞭然である。

韓国では、統制力のある徹底した体制により、新型コロナウイルスの蔓延を封じ込めたと言っても過言ではない状況である。


2.日本の発生状況

日本では4月7日に緊急事態宣言が出された。期間は5月6日までの1ヶ月間。

当初の対象地域は7都道府県だったが、東京都をはじめとする都市部から対象外の地域への市民の流入により、沖縄県や石垣島まで感染地域は全国に拡大。事態を重く見た政府は17日、日本全国を緊急事態宣言の対象地域にすると発表した。

それだけではなく、新型コロナウイルス感染症への対策は全てにおいて遅きに失したと言わざるを得ない結果となっている。

機能不全となっている危機的状況

2月初旬に韓国のデータを収集し始めたのと同時期に、日本のデータも収集すべく厚生労働省をはじめ、各自治体のHPなどを見て回ったものの、統一された集計データは見つからなかった。

なぜ、そのようなことになっているのか、未だに原因は不明である。

振り返ってみると、ちょうどその頃、もう記憶から薄れてしまっている方も多いかもしれないが、2月初旬はクルーズ船、ダイヤモンドプリンセス号への対応ですでに手一杯の状態に陥っていた。

その対応を見るにつれ、いずれ国内で感染が拡がり始めても、クルーズ船で行われていたオペレーションでは事態は収拾するどころか、目も当てられないほどの爆発的な感染拡大を引き起こしても不思議ではないと予想していた。

結論を言ってしまえば、あの頃のクルーズ船内での状況が今、そのまま日本国内で起きてしまっていると言っても過言ではない。

ではここで、本日18日時点での集計データを見てみよう。厚生労働省HPから引用している。

厚生労働省HP 4月17日版データ
基準日 新規感染者 累計感染者 新規検査数 累計検査数 新規死者 累計死者
4月18日 628人 9,795人 4,953件 111,325件 6人 154人

 

一日の感染者は減少傾向ではなく、韓国の「34.8倍」にもなっているのにもかかわらず、検査件数は半分程度に留まっている。

累計の検査数でも、日本は韓国の5分の1程度しかないのにもかかわらず、感染者の合計はおよそ1万人とほとんど変わらない。

世界各国の検査状況

出典:Our World in Data ソース:https://ourworldindata.org/covid-testing

これを見ると、人口1000人あたりの検査数で日本は「0.8人」と異常に少ない。

韓国は「10.46人」で約13倍の差がある。南アフリカ共和国よりも検査数は少ない。

驚くほど少ない検査数でありながら、新規感染者数の最大値は「743人」である。

なぜこんな歪なデータしか残せない状況になってしまったのか?

新型コロナウイルス感染症の政府専門家会議は会見で、「PCR検査を幅広くはやらないというのが日本の方針だ」と明言している。

世界各国でPCR検査を積極的に行ってきた理由は、「今どこに感染者がいるのか?」を把握するためである。そのためには疑わしき症状のある者には幅広く検査をし、陽性とわかれば症状別に隔離をして感染拡大を防ぐというやり方だ。さらには陽性が判明した日の二日前まで遡り、陽性者の移動経路や接触者への調査を行う。

わかりやすくいえば、刑事事件の被疑者を逮捕し、裁判にかけ、有罪だと立証されれば刑務所に入れる。共犯の疑いのある者も同様に裁判にかけ、無罪だとわかれば釈放する。これと全く同じ構造だ。

一つだけ勘違いしてはならないのは、ここでいう刑事事件の「被疑者」は感染者ではなく「新型コロナウイルス」だということである。

いずれにせよ、日本は、PCR検査に対し消極的なまま今まで来てしまい、新規感染者のうち、7割超で「感染経路不明」という、取り返しのつかないほどの危険な状態を招いてしまった。

〇新型コロナウイルス感染症 日本の新規感染者発生状況

PCR検査を想定通りに行えていない=正確な感染者数を把握できていない、という中においても、グラフを見れば感染者の増加は「うなぎ登り」なのが一目瞭然である。

現状が危機的なのはこれでおわかりいただけたであろう。

 


3.東京都の状況と今後の予測

東京都の状況

4月17日に「東京都医師会」はとても重要な記者会見を開いた。

説明するよりも見ていただいた方が早いのでまずはこれをご覧いただきたい。

〇重要発言は「19分15秒~24分30秒」

 

東京都医師会は独自に「PCR検査所を都内の47カ所に設置する」という主旨の発表とその理由について、50分間にわたり記者会見を行った。その中でのこの発言である。非常に切実で逼迫している状況を偽りなく述べておられ、このままでは東京都は「壊滅的なダメージを受ける」というのを東京都医師会の公式見解として発表したのだ。

東京都医師会の説明によると現況は以下の通りとなる。

 

「これ以上PCR検査をやっても入院先も見つからないのでやむを得なく断ってる。」

「新型コロナ外来にお願いしても病床も満杯でPCR検査ができない状態になっている。」

「そんな中でどんどんと経路を追えない患者が増えているというのが東京では起きている。」

「感染者増加数にリソースが追いつかずに保健所は機能不全を起こしている」

 

会見をみていて驚愕した。これを医療の崩壊といわずに何というのだろうか。

今後の予測

倍加時間(ダブリングタイム)について

新型コロナウイルスの感染拡大は、今後どのように推移していくのかを考える上で指標となるのが「倍加時間(ダブリングタイム)」である。

これは、累計の感染者数が「2倍になる時間」を元に予測を立てていく方法だ。

例えば下記の場合、倍加時間は「4日」となる。

4月1日:100人

4月2日:115人

4月3日:135人

4月4日:160人

4月5日:200人 ← 4日後に2倍

この「倍加時間」は、長ければ長いほど感染のスピードは緩やかになっていることを示し、短縮傾向にあれば、感染拡大を続けていると言える。

日本と韓国の倍加時間

韓国では、ピーク時の2月末までは、倍加時間が「2日~3日」を行ったり来たりしていた。

だが、方針転換をした3月1日以降の倍加時間は一度も縮まることなく推移し、4月18日の累計感染者数の倍加時間は、なんと「46日」である。

その日韓の倍加傾向をグラフで見てみよう。

〇新型コロナウイルス感染症 日韓の累計感染者数

倍加時間を見やすくするために縦軸は対数目盛となっている。ただ、日本の場合は検査数自体が韓国の5分の1ほどしかないので、累計の感染者数も、ひいては倍加時間もあてにはならず、参考程度に留めてほしいのだが、倍加時間はおよそ「約7日」で推移していた。

東京都の倍加時間

東京都のHPで公表しているデータを元に、東京都の倍加時間をグラフで見てみよう。

3月4日に44人だった感染者は、「10日後」の14日に87人と倍加した。更にその「10日後」の24日に倍加している。落ち着いてるかのように見えたが、翌25日から事態は一変する。

3月25日からの倍加時間は次の通り。

基準日  :倍加時間

3月25日:7.5日

3月26日:6.1日

3月27日:4.3日

3月28日:3.7日

3月29日:3.9日

東京都のHPで公表されているデータを元に倍加時間を計算すると、「3月28日~3月29日」にピークを迎えているといえる。3月30日以降は、データ上では、倍加時間は5日、6日、7日と徐々に延びている。ただ、公表しているデータにはタイムラグがあり、反映されるまでには地域により3日~5日間ほどを要しているとのことである。

ここで本章の初めに見てもらった東京都医師会の会見を思い出してほしい。

「新型コロナ外来にお願いしても病床も満杯でPCR検査ができない状態になっている。」という状況は、ツイッターなどのSNS上では漏れ伝わっていた。結果的に、その凄惨な状況は数カ所程度などではなく、東京都のほとんどの医療機関で起きているというのが東京都医師会の会見で明らかになった。

ということは、恐らくこの「3月28日~3月29日」に限界を迎えた後、検査希望者(疑似症状者)全員には検査を受けさせられない状態になっていたであろうと推測できる。

東京都の感染者数「予測値」

3月29日時点の感染者数の倍加時間は「4日」。その倍加速度を保ったままだと仮定した場合、現在の東京都の累計感染者数は、どのような推移を辿っているのかをグラフで表してみる。

3月29日の公表データを単純に4日毎に2倍をしていくと、4月18日には「13,760人」の累計感染者となる。

東京都の公表値では累計感染者数は現在約3千人なので、予測値によれば、1万人以上多い感染者が存在することになる。

ただ、この予測値には、4月7日に発せられた緊急事態宣言後の自粛要請による外出減少の割合までは加味していないので、あくまで「予測値」として見てほしい。

東京都だけではなく、大阪府や福岡県などの都市部は、皆さんが想像しているよりも遥かに感染拡大は進んでおり、感染者数のみならず医療機関の疲弊した状況は日に日に悪化し、その速度は「倍加」していくというのをご留意いただきたく、今回のブログを書くに至った。

弊所では、3月28日(30日、31日を除く)から臨時休業をする決断をした。

緊急事態宣言は一日でも早い方がいいという立場を取ってきた以上、政府の出す緊急事態宣言を待つ訳にはいかなかったからである。

結果的に弊所では、政府の緊急事態宣言よりも十日以上早くにロックダウンを始めた。

感染症の拡大を止めるために最も有効な手段は、「人と会わない」ことである。

では、最後に、apple社の公表データを見てもらいたい。

ソース:appleモビリティトレンドレポート

これは、各都市の人々の外出データである。東京都の外出自粛率はまだまだ低いと言わざるを得ない。

新型コロナウイルスに感染した場合、韓国では50人に1人、アメリカでは20人に1人、スペインでは10人に1人の確率で命を落としている。

日本でも、そういった事態になることを理解していただきたくデータを元に説明してきた。

日本では、一体、どれほどの命がウイルスの猛威と人的無策により奪われるのであろうか。

間違いなく、このウイルスの蔓延により世の中は様変わりするだろう。

このままでいくと特に日本では、その影響が最も顕著になって現れるはずである。

金山浩平