韓国のお墓と葬儀事情
近年‟人生の終わりについて考える活動”のことを終活といい、遺産相続や遺品整理の手続きなどについて積極的に取り組む方も増えているようです。そんな終活における重要なことのひとつが「お墓」ではないでしょうか。納骨するとむやみに移動できませんので、これらの選択には時間を要するものです。
一方、お隣韓国のお墓事情はどのようになっているのか気になるところですね。韓国ドラマでもお墓参りのシーンがありますが、なんとなく日本とは違うような気がしませんか?
今回はそんな韓国のお墓や葬儀事情についてご紹介します。
土地不足による土葬の減少
韓国のお墓は時代とともに様変わりしてきました。儒教の影響から長く土葬が主流でしたが、1990年代後半に入ると土地不足などの理由から、火葬へシフトしました。現在はロッカー式納骨堂が多くを占めています。
土葬は時代劇ドラマのシーンにも登場する「土饅頭」と呼ばれるお墓です。山の斜面を切り開いて穴を掘り、土が丸く盛り上がった形をしています。芝生で覆われたお墓をきれいに維持するために、一家一族総出で定期的に手入れをする必要がありました。先述したようにこうした土葬に適した土地が次第に減っていき、墓地に必要な山の入手も土地不足で難しくなっていきました。
その後、火葬が主流になりましたが、火葬場や納骨堂の建設に伴う自然破壊が問題となっていきました。こうした中、2009年には遺骨を樹木の下や芝生などに埋葬したり、散骨するという「自然葬制度」が盛り込まれた法律が改正されています。樹木葬は比較的リーズナブルということもあり需要が高い傾向にあるようです。
樹木葬は法律で認められた墓地に遺骨を埋葬し、墓石の代わりに遺骨周辺の樹木を墓標とするもの。近年日本でも注目されており、桜やハナミズキなどをシンボルツリーとする樹木葬があります。
ロッカー式納骨堂
現代ドラマで描かれているのはロッカー式納骨堂がほとんどです。コインロッカーのようなガラス張りケースには遺骨が大切に納められており、写真や遺品なども一緒に入れておくことができます。またケースとは別に、納骨堂内にはお墓参りの儀式を行えるスペースも設置されています。
ロッカー式安置壇の前では膝をついて挨拶をする「큰절」(クンジョル)を行います。跪いて深々と頭を下げる韓国式のお辞儀で、最も丁寧な挨拶です。法事などの場面でも「큰절」(クンジョル)を行うので、韓国に住んでいたら覚えておくべき挨拶・お辞儀といえます。ちなみに納骨している壇が下段の場合、かなり腰を曲げないとお参りできません。また、壇が高すぎる場合も見づらいので中間を購入できればベスト。
病院の敷地内に葬儀場
韓国では最期を迎えた病院に併設された葬儀場を利用するのが一般的です。郊外では自宅葬もあるようですが、基本的には病院の敷地内で行います。病院から葬儀場が見えるなんて驚きですよね。
そして病院から火葬許可書証などの必要書類を受け取って火葬場で手続きを行います。火葬後の遺骨は係の方が骨壷に収めます。日本のような骨上げはありません。日本では遺骨の一つひとつを、遺族や親しい縁のある人たちで拾い上げて骨壷に納めますが、こうした「骨上げ」の儀式は日本独自の文化といえます。
日韓ともに火葬ですが、葬儀から納骨までの流れに違いがあるのは興味深いところですね。
おわりに
今回は韓国のお墓と葬儀事情についてご紹介しました。日本と韓国は似ているようで違うところがたくさんあります。違いを知ることは文化や語学を学ぶ上でとても大切です。自分にとっての当たり前は、国が違えば全く異なるということは多々あるからです。
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