韓国の家父長制度を感じさせるドラマたち

『がんばれ！プンサン』にみる長男の生き方

韓国で最高視聴率22.７％を叩きだしたドラマ『がんばれ！プンサン』。最新スマホを駆使しながらも、挿入歌や登場人物の服装などから昭和の雰囲気が漂い、シルバー世代に絶大な人気を誇ったハートフル・コメディです。

出典：韓国ドラマ「がんばれ！プンサン」｜ＢＳ日テレ (bs4.jp)

主人公・プンサンは5人兄妹の長男。真冬の路上で父親が亡くなるシーンから始まりますが、長男であるプンサンは、高校時代から一家の大黒柱として4人の弟妹の世話をしてきたヤングケアラーだったということが次第に分かってきます。

プンサンたちの父親は死ぬまで飲んだくれ、母親はいるものの若い男にお金を貢ぐような生活ぶりで、金を無心する以外は家には寄り付かない状態。未だ家父長制度が色濃く残る韓国においては、そんな事情から長男であるプンサンが幼くして一家の大黒柱になってしまったわけです。4人の弟妹たちは全員がなんらかの問題を抱えており、常に彼らに翻弄されながら、とうとうプンサンの妻は娘を連れて実家へ帰ってしまいます。

長男のために誰が肝移植をする⁉

後半からはプンサンが肝臓がんであることが発覚し、弟妹の誰が肝移植をするかが大きなテーマとなる本作。4人も弟妹がいるというのに、様々な誤解から誰も提供したくないと言いだし、とうとう妻が肝臓の提供者として名乗りをあげるシーンも出てきます。検査の結果、結局は適合しなかったのですが、次男がプンサンの奥さんに「弟妹（＝家族）が提供すべきなのに申し訳ない」と頭を下げるシーンも。日本では、たとえ長男でも結婚すれば独立し、既に成人している弟妹とは離れて暮らすことが一般的ですが、韓国では弟妹たちが未婚でいる限りは父親、もしくは長男が下の弟妹の面倒をみるのが当たり前で、兄妹が支え合うのが普通であることが暗に分かるセリフです。

プンサンの肝移植について二転三転するも、きょうだいの絆を強く感じさせるエピソードで締めくくられ、物語に一層の深みを与えていました。移植を通じて家族の絆を再認識させるという、ある意味ベタな展開ではありますが、こういったところがシルバー世代の共感を呼んだといえるでしょう。

父の肝移植のために代理母に⁉

少し前になりますが、2009年に韓国で放送された大人気ドラマ『千万回愛してます』。このドラマも父親の肝臓移植が必要になり、娘であるヒロインが代理母になりお金を工面して父親を助けるところから物語が始まります。

出典：천만번 사랑해 : 드라마 정보 : SBS

しかし、父親を助けた後からがある意味このドラマの本題といえます。代理母として子供を産んで渡した後、縁あって結婚したヒロイン。不妊に悩む義兄夫婦は養子縁組をしますが、その子供が自分の産んだ子供であることに気付き、自責の念にかられたヒロインは自殺を考えるまで苦しむのです。

どんな事情であれ出産した女性と結婚はご法度⁉

肝移植についてはサラッと流していますが、代理母がどんな生活を送るのか、不妊に苦しむ夫婦が養子をもらう選択をする過程など、かなりリアルに描かれた本作。また、儒教の精神が根強い韓国においては、どんな事情であるにせよ“出産した女性が何食わぬ顔で結婚するなんて！”という批判を大いに浴びるということが分かったドラマでもありました。
2009年の作品なので現在とは多少違う部分もあるかもしれないですね。

まずはドラマに出てきた単語を韓国語で何というか調べてみるという方も多いかと思います。単語の習得をした後、発音や文法などを確実に身に付けるには、韓国語教室に通って韓国人の先生に教えてもらうのが一番の近道になります。新大久保にある「ソウルメイト韓国語学校」なら韓流グッズなどの買い物にも寄れてとても便利。授業見学や体験レッスンも受け付けているので、まずはお問合せしてみてはいかがでしょうか。

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