秋の韓国で出会う絶景 ― 紅葉が彩る旅
韓国の秋は、空がいちばん高く澄み渡る季節。9月末から11月中旬にかけて、山や街路樹が赤や黄色に染まり、まるで絵画のような景色が広がります。近年はSNSでも「#가을여행(カウrヨヘン:秋の旅行)」や「#단풍명소(タンプンミョンソ:紅葉スポット)」といったハッシュタグが人気で、韓国の秋の風景をシェアする投稿が数多く見られます。
日本でも紅葉は秋の定番ですが、韓国の紅葉はその趣が一味違います。日本の紅葉は、モミジやカエデなど繊細な色合いが特徴的で、京都や日光のように風情ある景観とともに楽しむスタイル。一方、韓国の紅葉は山全体が燃えるように赤く染まり、ダイナミックな自然の力強さを感じられるのが魅力です。また、紅葉の時期も少し早く、ソウルでは例年10月下旬から11月初旬にかけて見頃を迎えます。
秋の韓国で出会う絶景 ― 紅葉が彩る旅
王宮の紅葉:景福宮と徳寿宮の秋散歩
ソウルで紅葉を楽しむなら、まず外せないのが景福宮(경복궁)。朝鮮王朝の中心として歴史を刻むこの王宮は、秋になると伝統建築の背景に紅葉が映え、まるで時代劇のワンシーンのようです。特に勤政殿(근정전)や香遠亭(향원정)周辺は人気の撮影スポット。韓服(한복)をレンタルして歩けば、韓国の歴史と秋の風景を同時に体感できます。

出典:PHOTO KOREA
もう一つのおすすめは徳寿宮(덕수궁)。ソウル市庁のすぐ隣に位置し、アクセスの良さが魅力です。徳寿宮の石垣道(덕수궁 돌담길)は「恋人が一緒に歩くと別れる」なんて言い伝えでも知られていますが、秋には石垣と紅葉のコントラストが見事で、カップルや観光客に人気の散策コースです。

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秋の韓国で出会う絶景 ― 紅葉が彩る旅
自然が染まる絶景スポット:南怡島、雪岳山
ソウル近郊で自然を満喫したいなら、南怡島(남이섬)へ足を延ばしてみましょう。ソウルから電車とフェリーで約1時間半。ドラマ『冬のソナタ』のロケ地として有名で、銀杏並木やカエデのトンネルが続きます。秋には島全体が黄金色に染まり、サイクリングやカフェめぐりも楽しむことができます。

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さらに、韓国随一の紅葉名所といえば雪岳山(설악산)。10月中旬から山頂が徐々に色づき、ケーブルカーで登ると東海(日本海)と紅葉の絶景が一望することもできるんです。山登りが苦手な人でも気軽に楽しめるのが魅力です。

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秋の韓国で出会う絶景 ― 紅葉が彩る旅
紅葉の雄大さを感じられる場所:佛国寺、内蔵山
慶州(경주)の佛国寺(불국사)や全羅北道の内蔵山(내장산)も、韓国の紅葉を語るうえで欠かせない名所です。
佛国寺はユネスコ世界文化遺産にも登録されている、韓国仏教建築の代表格。新羅時代の8世紀に建立されたこの寺は、「人間の住む地上を仏の国のように」という願いが込められています。秋になると、境内に立ち並ぶ石造建築と黄金色に染まる木々が見事に調和し、まさに“極楽浄土”を思わせる幻想的な風景が広がります。特に「多宝塔(다보탑)」や「青雲橋・白雲橋(청운교·백운교)」付近は、フォトスポットとして人気。朝早い時間帯には、霧の中に浮かぶような紅葉と仏国寺の姿が見られ、静寂に包まれたその光景は息をのむほどです。

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内蔵山(내장산)は韓国でも屈指の紅葉の名所として知られ、「秋に一度は訪れるべき場所」と言われるほど。標高763メートルの山全体がカエデで覆われており、10月下旬から11月上旬にかけて真っ赤に染まります。中腹にある内蔵寺(내장사)へ向かう参道は、紅葉のトンネルとして有名で、風が吹くたびに木の葉が舞い落ちる様子はまるで映画のワンシーンのよう。山頂からは全羅北道の山々が一望でき、ケーブルカーでの空中散歩も楽しむこともできます。
また、内蔵山は単なる自然景観だけでなく、韓国人にとって「心を癒す場所」として親しまれています。週末には家族連れや登山客が弁当を持参して訪れ、紅葉の下でピクニックを楽しむ光景もよく見られます。アクセスも良く、ソウルからKTXで井邑(정읍)駅まで約2時間、そこからバスで30分ほど。紅葉の最盛期には特別列車が運行されることもあります。
歴史と自然、そして人々の暮らしが共に息づくこれらの紅葉スポットは、まさに「韓国の秋」を象徴する場所といえるでしょう。

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秋の韓国で出会う絶景 ― 紅葉が彩る旅
秋の味覚と“韓国語で楽しむ旅”
紅葉とともに楽しみたいのが「食欲の秋」。栗(밤)、柿(감)、サツマイモ(고구마)を使ったスイーツや、秋限定のカフェメニューも人気です。カボチャラテ(호박라떼)やサツマイモケーキ(고구마케이크)など、秋らしいスイーツが目白押しですよ。紅葉を眺めながら温かい飲み物を片手に過ごす時間は、韓国旅行の醍醐味といえるでしょう。
旅先での感動をより深く味わうために、韓国語のひとことを覚えておくのもおすすめです。
たとえば「단풍이 정말 예쁘네요.(タンプンイ チョンマr イェップネヨ:紅葉が本当にきれいですね)」や「사진 좀 찍어 주시겠어요?(サジン ジョム ッチゴ ジュシゲッソヨ?:写真を撮ってもらえますか?)」など。
現地で使ってみると、学んだ韓国語が“生きた言葉”として感じられ、相手との距離もぐっと近づきます。
秋の韓国で出会う絶景 ― 紅葉が彩る旅
心に残る秋、韓国語で出会う感動
韓国の秋は、自然・文化・食がすべて調和する季節。
美しい紅葉の中で、少し勇気を出して韓国語を話してみる――
その一言が、旅の思い出をもっと鮮やかにしてくれるはずです。
今年の秋はぜひ、「단풍여행(紅葉旅行)」をテーマに韓国を訪れてみませんか?

























