不思議と当たる「胎夢（テモン）」

2023年10月24日

韓国では妊娠が分かると胎児に「태명（テミョン・胎名）」というニックネームをつける習慣があります。生まれてくる子供の健康の願いが込められていたり、胎児がテミョン（胎名）で呼ばれることによりお腹のなかで愛情を感じるのだといわれています。呼びかけることにより、生まれてくるまでに親の愛情が増してゆくので胎教にも良いようです。

またテミョン（胎名）だけでなく、韓国には「태몽（テモン・胎夢）」という古くから伝わる習慣もあります。

胎夢とは？

「태몽（テモン・胎夢）」は子供を授かる前後にみる夢のことで、妊娠する本人だけでなく、家族や友人、知人などの親しい人がみる夢も含まれます。韓国では古くから妊娠を知らせる予知夢を見ると信じられており、現代でも一般的な習慣となっています。

胎夢は見ようと思って見るものではないので、それがいつやって来るのかは誰にも分かりません。後々で妊娠が分かり『あの夢は胎夢だったのか』と悟ったり、はたまた『この夢はきっと胎夢だ。赤ちゃんができたのでは?』と予知夢として感じたりと、人によって気づき方も異なります。ですが夢を見た本人が胎夢だと思えば、それは胎夢なのです。

夢の種類と解釈は星の数ほどあるので、調べてみるのも面白いですよ。驚くことに、胎夢は性別まで教えてくれるといわれています。当たるも八卦当たらぬも八卦ではありますが、体験した方によればかなりの高確率で当たるのだとか。実際、古い時代にも胎夢で赤ちゃんの性別を占っていたそうで、韓国時代劇ドラマでもよく出てくるシーンのひとつです。

胎夢で分かる性別や将来性

龍や虎、牛といった大きな動物の夢は男の子。真珠や花、仙女、果物といった可愛らしい美しい夢は女の子が生まれるとされています。他にも鶴や鳳凰は学識が高くなる、賢い、高貴な存在になるといった将来性を意味しています。

IVEのメンバーウォニョンの胎夢は「鶴が飛んできて座った」というもので、バラエティ番組で話して話題になりました。手足が長くてスタイル抜群、才能溢れるウォニョンに鶴のイメージはぴったりですね。K-POPアイドルには胎夢が龍という方も多いですが、龍に角が生えていたり、如意宝珠を咥えていたら美男子が生まれるそうです。アイドルになったということを考えると、やはり当たる確率が高そうですよね。

ちなみに韓国は医師は赤ちゃんの性別を教えてくれません。というのも、原則として妊娠32週まで性別を告げてはいけないという法律があるからなのです。医師は性別をはっきりと明言することができないので、（赤ちゃんは）『ピンクが似合いますね』『水色の服がいいですね』といった具合でやんわりとぼかしながら伝えてくれます。出産1、2カ月前まで性別が分からないということになります。そうした事情からも、胎夢で性別を想像するのは楽しい時間かもしれません。

普段見る夢との見分け方に定義はありませんが、通常見る夢とは少し違うようです。起きてしばらくしても夢が忘れられない、はっきりとしている、意味を感じるといったものは胎夢の可能性が高いです。触った感触や夢の中での感情も胎夢の特徴。人によっては何度も同じ夢を見ることもあるとか。登場した物の形が鮮明であればあるほど、良い胎夢であるともいわれています。黄金だったり、光輝いていたり、美しいほど吉夢とされています。