字幕のおはなし~韓国ドラマ字幕監修者のつぶやき~④
監修仕事の七つ道具
今回は、私が字幕監修の仕事をする時に使っている道具を紹介したいと思います。
絶対必要な道具たち
◆ヘッドホン(または、イヤホン)
映像作品を扱っているため、作業の時にどうしても音が出るので…ということもありますが、それ以外にもヘッドホンはとても重要な役割を持っています。
字幕は、専用のソフトを使って映像の上に文字を置いていくのですが、その前に、俳優さんがセリフを言っている長さをチェックして、音声の波形を見ながら区切っていかなくてはいけません。そして区切る時は、音(セリフ)の始まりと終わりに、いくらかの余裕を持たせて区切るのですが、これをきちんと聞き取って、セリフを入れる “ハコ”を作ります。このハコを作ることによって、原語に対して日本語で何文字入れられるかが、自動計算されて出てきます。そこで初めて原語から翻訳した文章を入れることができるのです。
これがきちんとできていないと、当然、使える文字数にも影響が出てきますし、また、音声より早く字幕が出てきたり、逆に原語の音が始まっているのに、字幕が遅く出てきたりと、視聴者に違和感を与える原因となってしまいます。
納品された字幕のハコが、ルールに合っているかを確認していくので、(45分くらいのドラマでしたら大体500前後のハコができます)かすかな音を聞き逃さないためにも、必要な物なのです。
◆辞典類
正しいと思い込んでいて、実は間違っていたり、あやふやに使っていたと気付く言葉、表現があります。これらを確認するのはもちろんですが、字幕制作を進める際に、『NHK漢字表記辞典』や『朝日新聞の用語の手引』など、こうした辞典に準拠することが、あらかじめルールとして決まっていたりします。また、紙の辞典以外にも、作品中に出てくる物の名前が商標登録されているかなども調べる必要があります。また、警察などの機構や階級が日本とは異なっていたりするので、韓国語をそのまま直訳するわけにはいかない場合も多く、ネット上で信頼できる情報を取れるかも大事になってきます。とにかく調べることがたくさんあるのです!
◆校正ソフト
時には100話を超えるドラマの監修をすることもあります。その際、とても大変なのが「表記の統一」です。例えば、第1話で“でたらめ”と平仮名だったのに、33話では片仮名で“デタラメ”となっていてはNGなので、こうしたこともチェックしていかなければいけません。しかし、人間の力には限界があるので、校正ソフト(私はJust Right!6pro)を使っています。放送できるまでの状態に完成させるのが仕事なので、これも必要です。
◆電卓
私はフリーランスなので(某字幕制作会社と専属的契約中)、請求書を計算するのに使います(笑)フリーになる前は、会社で翻訳者さんの請求書の確認もしていました。基本的に、単価×時間(分)で報酬が決まります。
◆拡大鏡
前述しました字幕制作や校正のソフトは大変優秀なのですが、入力スペースや検索結果の文字がとても小さいのです。バリバリ老眼(55歳です)の私には、拡大鏡が必要。でも重い物は使いづらいので、大辞林第三版を買った時に、おまけで付いてきた薄いシートタイプの拡大鏡が大活躍しています。
◆監修チェックリスト
これまで積み上げてきた監修のノウハウや、自分がミスしやすい点のチェック項目などをまとめて独自に作った物です。字幕内容ももちろん大切ですが、“字幕ルール”を守ることは本当に大事なことなのです。信用にかかわることですので、常に初心を忘れず、慎重に作業をしなければなりません。そのためにも、こうしたリストを作り、そばに置いています。
番外編!だけど大事な物たち
以下、番外編ですが、これらも欠かせません。
◆化学雑巾
映像作品なので、パソコンの画面が汚れていては話になりません。パソコンはまさに仕事の相棒です。作業の前にはパソコンをいたわる気持ちで拭いています。
◆目薬・アイマスク
文字だけではなく、映像も含めてチェックしていく、目を酷使する仕事なので、毎日のケアは欠かせません。寝る前のケアは、好きな音楽を聴きながら、癒やしの時間でもあります。
◆スケジュール表
仕事を受けた段階で、放送日が決まっている作品が多いので、スケジュール管理がとても大切です。作品の翻訳が始まる時は、翻訳者にスケジュールの提案や調整をします。また、ひとつの作品の字幕が完成するまで、通常何か月もかかりますので、アクシデント(体調不良や他の仕事との兼ね合いなど)が発生する場合もあります。そうした調整・進行役も含めてするのが、私がやってきている監修者としての仕事です。(この部分の仕事を、別の部門がやる場合もあるようです)
いかがだったでしょうか?七つ道具を通して、監修の仕事のことを少しでもお伝えできていたら幸いです。こうした細かい仕事を続けるのは大変ですが、完成した時の喜びは格別です。しかし、仕事の合間に韓国語の勉強を続けるのも大変です!
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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