韓国で大切にする「100日」文化とは？

2022年11月17日

韓国には백일（ペギル／100日）をひとつの区切りとして大切にする文化があります。100は「完全・成熟・最高・永遠」といった意味があり、10や100の直前の数字にあたる９や99は、完全になる手前…つまり不完全な状態を意味する数字ともいわれています。

この日を忘れたら大変!──カップルの「100日記念日」

初雪が降ったら大切な人に連絡する「初雪の日」、バラの花をプレゼントする「ローズデー」など、日本にはない恋人だけのロマンチックな記念日がいくつもあります。その中でも忘れてしまったら一大事とも言える、とても重要な日が「100日記念日」です。

付き合いはじめてから100日目を祝う日で、サプライズやプレゼントを贈りあったりと特別な一日。2人の仲をさらに深める意味でも、とても大切な日なのです。

“付き合った日の認識がずれていた”というハプニングもあるのだとか。でもご安心を。カップルアプリといって、恋人同士が共有するカレンダーアプリもあるので忘れることはなさそうです。

100日以外にも付き合って22日、49日、200日、300日といった具合に、とにかくカップルは記念日が多いのです。

백일잔치（ペギルチャンチ／百日祝）

子供が生まれて100日目のお祝いを백일잔치（ペギルチャンチ）といいます。백일（ぺギル）が100日、잔치（チャンチ）はパーティー・祝宴を意味します。昔は生まれてから100日生きることさえも難しかったため、無事に100日を迎えたことを祝う風習が今でも残っているのです。

日本にも「お食い初め」「100日祝い」の風習があります。“生涯食べることに困らないように”と願う行事で、日本でも生まれてから100日（地域によっては110日や120日）に当たる日に、お祝い膳を箸を使って赤ちゃんが食べる真似をします。国は違っても、子供の健康と幸福を願う気持ちは同じですね。

さらに韓国には満1歳を迎えたお祝いとして、돌잔치（トルチャンチ）もあります。돌（トル）は“赤ちゃんが生まれて1年になる日”を意味します。1歳を無事に迎えたことへの喜びと感謝、そしてこれからも健やかに育つようにという願いを込めた祝宴です。

近年は백일잔치（ペギルチャンチ）は両親のみで祝ったり、写真館で撮影をしたりと簡素化される傾向もあるようです。一方、돌잔치（トルチャンチ）は親族や友人などが集まり盛大に祝うのが一般的。また自宅ではなく、セレモニー会場などを利用して行う方も増えています。

軍隊の100日休暇

軍に入隊して最初に貰える「新兵慰労休暇」のこと。基本訓練が終了してそれぞれの部隊に配属される前に与えられる、入隊後初めての休暇です。2020年6月15日以降の入隊者から、兵役期間が21ヶ月から18ヶ月に短縮されたことにより、実際には入隊から100日より前に貰える休暇です。現在は100日休暇ではなく、「新兵慰労休暇」といいます。

2泊3日～3泊4日の休暇中は家族や友人、恋人と過ごしたり、好きな物を食べたりとリフレッシュ期間になります。また、この休暇中にアイドルや俳優たちがTwitter、Instagramなどでファンへ近況報告したりもしますね。

最近は新型コロナウイルス感染症の拡大防止の影響で休暇の時期がずれたり、除隊前の休暇日数が貯まっている場合は、退職前の有給休暇消化のように、休暇消化のまま除隊といったケースもあります。