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秋夕とソンピョン(송편)

2021年09月14日

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いよいよ秋の気配が漂ってきました。
美味しい秋の味覚に、暑さで疲れた体も徐々に元気を取り戻していることと思います。

さて、この時期には最大の名節の一つ、秋夕(추석,チュソッ/チュソク)があります。
この秋夕は한가위(ハンガウィ)とも呼ばれます。
「한가위,ハンガウィ」の한(ハン)は大きい、すなわち月が最も大きい日を、「가위(ガウィ)」は秋の真ん中を意味します。
つまり、「한가위(ハンガウィ)」は「秋の真ん中にある月が最も明るく大きい」という意味を持っています。

秋夕とソンピョン(송편)

秋夕の代表的な料理、ソンピョン(송편)

秋夕にはソンピョン(송편)や里芋スープ(토란국, トラングッ/トラングク)などを食べます。
その中でも特に、秋夕の日に食べるソンピョン(송편)は、「오려송편(オリョ ソンピョン)」と呼ばれています。
この「オリョ(오려)」は早稲(올벼,オルピョ)の昔の呼び方で、早稲は旬より早く実った稲、つまり新米で作ったソンピョンという意味です。

「月が一番大きい日」に食べる料理ですが、不思議なことに半月の形をしています。
なぜ半月の形になったのでしょうか。

秋夕とソンピョン(송편)

ソンピョンの半月形の由来

百済の第31代、最後の王の義慈王(ぎじおう/ウィジャ王、599年 – 660年)が床に就こうとしたところ、怪しい風の音が気になり、寝室の外に出ていきます。
風の音を辿って宮殿の外に出た王は、鬼火を見つけますが、近づくと「百済は滅びる」という音と一緒に鬼火は地中に消えてしまいました。

明くる日、鬼火が消えた箇所を掘り返すと、そこには亀が一匹いたそうです。
その亀の背中には「百済は満月で、新羅は半月だ」という文字が書かれていました。
そこで、王が占い師を呼んでその意味を尋ねると「百済は満月だったのでこれから傾き、新羅は半月なのでこれからは満月になります。」と答えた。

これに激怒した王は、その場で占い師を処刑してしまいました。
この時、臣下は「百済はいっぱいに満ちて繁栄したのであり、新羅は半分だけ満ちてこの先衰弱するという意味です。」と王の怒りを鎮めたそうです。

この話は新羅にまで広がり、新羅の人々は占い師の話を信じて新羅の繁栄を祈り、半月のようなお餅を作り始めたと言います。
今年の秋夕は、当時の人々の願いに想いを馳せながら、ソンピョンを召し上がってみてはいかがでしょうか。

 

今回は秋夕に食べる代表的な料理「ソンピョン」を紹介しました。
その国の歴史や文化を知る事は、その国で暮らす人々をより深く知る手がかりになります。
それは、より良いコミュニケーションを取る上で必ず役に立ちます。

しかし、日本に居ながら別の国の歴史や文化を知ることは、容易な事ではありません。
そのような時は、ぜひ韓国語教室を利用してください。
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