韓国伝統工芸の美しい韓紙
フランス・パリのルーヴル美術館で19世紀バイエルン王国のマクシミリアン2世が使用していた机の補修や、ブルボン王朝の肖像画の保存修復作業に使用され、世界から注目を浴びている韓国の伝統工芸「韓紙(ハンジ)」。韓紙の耐久性の強さが文化財の修復に最適であると高く評価され、重要文化財の補修にも一役買うようになりました。
今回は韓国の伝統工芸のひとつである「韓紙」についてご紹介します。
韓紙の用途と特徴
한지(ハンジ/韓紙)は和紙と同じく、楮(コウゾ)の木の皮を原料として、流しすき技法によって作られた紙です。水に強いという特性から韓屋(ハノク)のオンドル床や壁紙など、建物の内装材として多く使われてきました。冒頭に記したように、文化財修復で韓紙が起用された理由も、高品質で耐久性を備えている点が大きいようです。
また韓紙は柔らかく艶もあり、そのうえ耐久性と通気性もあるため、韓屋では窓の木枠に貼られていました。現代でいうところのカーテンのようなもので、風を通しながらも光を部屋に取り込むことができる優れものでした。冬には隙間風を防ぐ役割もあったとされています。建物の内装以外にも、化粧箱や筆入れといった日用品にも使われており、その用途は幅広いものでした。
韓紙伝統工芸の種類
韓紙工芸として代表的なものがいくつかあります。紙を細かくして籠のように編む「紙繩工芸(지승공예/チスンコンエ)」というもの。水に浸した紙に糊を練り込み、粘土状にして皿などに塗る「紙糊工芸(지호공예/チホコンエ)」。小刀で文様を切って装飾する「剪紙工芸(전지공예/チョンジコンエ)」など実にさまざまです。
また、韓紙は柔らかい紙の性質上、草花などで染色することにも適していました。色とりどりの韓紙は見ているだけでも楽しめますね。縁起担ぎとして模様や配色に願いを込めていたともいわれています。
日本では韓紙工芸教室がひそかに人気があって、ワークショップや作品展示会もさまざまな場所で開催されています。ご興味のある方はぜひお近くの教室を探してみては?素朴な手触りや彩りにきっと魅了されるでしょう。
韓国を訪れたらぜひ行ってみて
韓紙についてもっと知りたいなら、韓国旅行の際にはぜひ「韓紙文化産業センター」を訪れてみてください♪ソウル市鐘路区北村路にあるこちらのセンターは、伝統的な韓紙の素晴らしさを伝えるために設立されました。2020年5月のオープン以来、外国人観光客もよく訪れている、韓国伝統文化を知ることができるとっておきのスポットです。
建物自体は古さよりも新しさが感じられる外観で、地下1階・地上1階で構成されています。韓紙の展示や細やかな説明で歴史を知ることができ、ワークショップや講演会なども定期的に行われています。実際に触れることができるコーナーもあったり、サンプル本には400種類余りの韓紙が色とりどりに並んでいます。裁断されていない大きな韓紙を見られるのも、この産業センターならでは。
さらに館内には韓紙を利用した照明オブジェが吊るされていたりと、どこを見てもフォトジェニックな空間になっていますよ。野菜のモビールづくりも無料体験できますし、見て・触って・作って韓国伝統工芸を知ることができる施設です。
おわりに
韓紙は照明器具や自然素材にこだわった生活道具など、新しい視点から見る伝統として注目を集めています。伝統を美術品としてただ眺めるだけでなく、形を変えて現代に活用していくことで伝統が受け継がれていくのかもしれません。
韓国の伝統的なものを、時代劇ドラマを見て知るということも多いのではないでしょうか。興味のあることをネットで検索するのも良いですが、ネイティブに聞いてみるのが一番手っ取り早いですよね。
ソウルメイト韓国語学校ではネイティブの講師陣が授業を行っていますので、知りたい韓国のことを気軽に質問してみてくださいね。無料体験レッスンや見学もできますので、ご興味のある方はぜひお気軽にご連絡を♪
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