韓国の寒さと年中行事
冬の訪れもそう遠くはない今日この頃。毎年12月22日頃は一年で最も日が短くなる「冬至」ですね。冬至は旧暦で季節を表した「二十四節気」のひとつで、ちょうどこの頃には木枯らしが吹き始めたり、樹々から葉がなくなり寒さの始まりを感じはじめます。日本では冬至にはかぼちゃ、冬至粥を食べ、柚子湯に入るといった過ごし方があります。韓国では小豆粥(단팥죽)を食べる日で、露店なども出たりします。
こうした季節ごとの年中行事はその国の文化や伝統などが反映されていたりするものです。今回は「冬」「寒」をキーワードにした韓国の年中行事を見ていきましょう♪
韓国の立冬はキムチ漬け
11月7日または8日に訪れるのが立冬(입동・イプトン)です。この日はキムチ漬けシーズンの到来も意味しています。立冬前後に漬けたキムチは格別なおいしさといわれており、キムチ漬けをする김장(キムジャン)の風景は韓国の冬の訪れなのです。
古くからキムジャンは本格的な長い冬への食料の備えでした。長く厳しい冬の間、食べ物に困らないよう、春先の分までキムチを漬けたのです。キムジャンはユネスコ世界無形文化遺産にも登録されていますが、近年では行っている家庭が少なくなってるのだとか。
ここ数年はキムチを漬ける家庭が減っているのは確かで、韓国農水産食品流通公社が2023年3月に発表した調査によると、キムチを漬ける家庭は減少していることが分かります。とはいえ立冬が近くなると、市場には大量の白菜が並ぶので、キムチを漬ける家庭も残っているようですね。
昔はキムチをハンアリ(항아리)という壺に入れて重石を乗せ、土の中に埋めて保存していました。現在はキムチ専用冷蔵庫という便利なものがあるので、キムジャンもかなり楽になっています。ハンアリはつるんとした丸型のフォルムで、キムチ以外にも醤油、味噌といった発酵食品を作って保存するためにも使用されていました。
また古くは農家で伝統儀式の告祀(고사・コサ)を行っていたともいわれています。告祀は家庭安穏・厄除け・豊作物の恵みを祈願する儀式のことで、ほかにも占いで自然現象や農作物、天候をみていました。
大寒より小寒のほうが寒い
韓国の寒さが厳しくなるのが1月。この時期のソウルの平均気温は-3.7℃で、1月の東京は平均最低気温が3°C、最高気温が9°Cほどということを考えるとかなりの差です。1月初旬にある小寒(소한・ソハン)は寒さが最も厳しく『大寒が小寒の家に遊びに行って凍死する』ということわざがあるほど。小寒のあと、毎年1月中旬にやって来るのが大寒(대한・テハン)です。文字からも分かるように、大寒は小寒よりも寒いという位置づけなのですが、韓国では小寒に漢江が凍結するほどの氷点下が続くことが多いのです。昨年2022年はさらに早い段階で漢江が凍結してしまいました。
「寒」つながりでもうひとつ、「寒食」という年中行事もあります。寒食(한식・ハンシク)は旧正月(ソルラル)、端午(タノ)、秋夕(チュソク)に並ぶ四大名節のひとつ。名節(명절・ミョンジョル)とは豊作物の恵みを季節ごとに祈願する行事です。チュソクは한가위(ハンガウィ)ともいい日本のお盆に似た行事で、陰暦8月15日を含めた前後3日間。ソルラルは旧正月のこと、タノは「こどもの日」で陰暦5月5日に祝います。
寒食(ハンシク)は〈冷たい料理を食べる〉という古い習慣が由来で、現在は御先祖の墓参りをする日として定着しています。墓地とその周辺の雑草取りや清掃、墓の補修・修繕をして、作業が終わると冷たいものとして冷麺、冷たい野菜、冷たい餅などを食べるのです。冬至から105日目、陽暦ではだいたい4月5日頃にあたります。
おわりに
日本と韓国は東アジア地域なので年中行事も似通ったものがとても多いです。ですが少し詳しくみてみると、各土地や文化に根差したそれぞれ異なった習慣が根づいています。
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